実際の記者会見に参加していないので何ともいえないのだが、メディアから伝わってくる城福さんの就任のコメントからは具体的な戦術や方針のようなものは伝わってこなかった。キーワードとしてみられるものは、
1.人もボールも動くムービングフットボール
2.ポゼッションを高めたい
等だが、これだけでは残念ながらよくわからない。
1.は現代のサッカー、あるいは圧倒的戦力をもつわけではないチームがJリーグで上位に行くためにはもはや当たり前の要素といえるし、それがなければ技術の差の前に屈してしまうだけになる。
2007シーズン、いくつか圧倒的な個々の戦力の差に打ちのめされた試合がいくつかある。2007/6/17の浦和レッズとのホームゲームはその一つで、全くいいところが出ずに終わった。
この試合、浦和レッズは真に限界近いプレイは見せることなく、東京を完封した。鈴木啓太の中盤の底での読み、スィープは見事の一言であり、さほど豊富でも高精度でもない雑な東京の攻撃は全てシャットアウトされていた。
ガンバ大阪や鹿島とのゲームでも、一つ一つのパスやトラッピング等、個々の選手の技術の差は大きいと感じる場面は多々見られる。残念ながら個々人のテクニックの自力に差があるのである。
2年くらい前のジェフのように、こういった点を運動量を基盤とした人の数で打開するというコンセプトは、世界と戦う日本と同じように一つのオプションではあるが、それは長いリーグ戦を戦っていく上では、危険なスローガンでもある。コンディショニングの安定が図れなかったり、怪我により、チームあるいは個人に100%の状態が求められない場合もあるからだ。そして動けない部分がある状態に陥ったチームは、大きなダメージを受けることになる。
2.のポゼッションを高めるというキーワードも、個人的には不安をぬぐい得ない。
基本的にポゼッションを高めれるかは、フィールドプレイヤーのボールキープ、パス、トラッピングなどの平均スキルに依存が大きい。あるいは、ポゼッションは高いものの所謂「持たされているだけ」の状態で、スタミナを浪費する場合である。
ガンバ大阪、2002年前後のジュビロ磐田など、ポゼッションサッカーをその看板に掲げ、実現しているチームはピークとなるチームになる何年も前から積み上げを行い(補強や育成)、いくつかの実績を出し(準優勝等)、一つの時代を築いている。
中盤には、名波や藤田、遠藤や二川や橋本といった、非常にクレバーでテクニックにあふれる選手が複数必要になる。今の東京には残念ながらそのような選手は見あたらない。
あくまでもメディア報道からの話でしかなく、筆者の経験からも、実際のところ真にチームコンセプトが機能しているかどうかは、開幕後数試合を見てみないとわからないことも多い。そもそも、この時期に明確な戦術説明をブロードキャストしてしまうのは愚策以外の何ものでもないので、城福さんは記者会見の話とは全く違うチーム戦術をとってくる可能性もある。シーズン開幕まで1ヶ月であるが、今後も動きを追っていきたいと思う。

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